「ランに関する講演会」実施報告

 国内外でのラン科植物の現状と保全の事例を紹介し、沖縄におけるラン科植物の保護・保全、栽培、利用に有益な情報提供を目的として、一般の方、特にランに興味のある方を対象に、平成22年2月6日(土) 海洋博公園 熱帯・亜熱帯都市緑化植物園 視聴覚室にて、「ランに関する講演会」を実施しました。
 今回のテーマは「ランの楽園。日本とミャンマー」。講師にラン研究家の唐澤耕司氏、ミャンマー花卉生産組合 中央執行委員のDr. Saw Lwinを招聘し、講演をしていただきました。当日は79名の方が受講に訪れていました。

講演の様子 日本の野生ランの一つ、フウラン
講演の様子 日本の野生ランの一つ、フウラン

 

 日本は弧状に点在する小さな島国にすぎないにも関わらず、南北に長く四方が海に囲まれていること、また比較的温暖湿潤な気候にも恵まれていることから、ランの生育に適していると言え、またその種類も90属300種と豊富です。これは、面積が50倍以上もあるアメリカ大陸において確認されているランが60属180種であることを考えると、その豊かさが理解できます。しかし反面、日本では、その種が適する狭い環境の中に少数の個体が自生していることが多いため、環境破壊や採取にとても弱く、そのため、日本におけるランのほとんどが絶滅危惧植物に指定されていることも現状です。今回、唐澤耕司氏には、貴重な自生地の写真スライドを織り交ぜながら日本の野生ランの紹介と現状をお話頂きました。

講演の様子 ミャンマー固有のラン、<i>Paph.wardii</i>
講演の様子 ミャンマー固有のラン、Paph.wardii

 

ミャンマー北部にはいまだ手つかずのままの貴重な野生生物の生息地、原種の群生地が残っている地域であるといわれていますが、現況は絶滅危機に瀕している状態だそう。ミャンマー北部には東南アジアでは唯一、積雪する山があり、また場所的にもヒマラヤ、インドシナ、マレーの3つの植物相が出合う地域に位置し、これらの植物相すべての要素が見られます。また、地域ごとに緯度差、高度差、気候差が大きいため、多様で豊かな植物相を形成しています。今回の講演でDr.Saw Lwinには、その地域のラン類についての調査結果と、将来へ向けた保全事業計画等についてパワーポイントを用いて解説して頂きました。

講演後に行ったアンケートでは、あらためて植物の保全が重要であるということ、次世代にどう残すかについて考える機会になった、というご意見がありました。また、大変有意義な講演だった、とのご感想も頂きました。

最後になりましたが、講演会にご参加くださった受講者の皆様、更には講師をしてくださった唐澤耕司氏、Dr.Saw Lwinにこの場をかりて御礼申し上げます。

今後も、熱帯・亜熱帯都市緑化植物園では、このような機会を通して多くの方に「みどり」の重要性および植物に関する知識を深めていただき、都市緑化の普及啓発につとめていきます。

今後とも、熱帯・亜熱帯都市緑化植物園をよろしくお願い致します。


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熱帯・亜熱帯都市緑化植物園
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植物園だより