コミダケシダ 西表島に生きる植物16

 こんにちはakahigeです。
 西表島の海岸や山では、今夏に直撃した台風の爪痕が残っていた。樹林に覆われていつもは暗い林内が、倒木や土砂崩れにより、森にポッカリと隙間(=専門用語で「ギャップ」)ができていた。コミダケシダの生育地も林床まで光が射し込み、葉焼けしている植物もあった。「ギャップ」とは、いろいろな撹乱(=かくらん:台風などによる倒木・土砂崩れ・大枝の折れや落枝・病気や寿命による枯死など)によってできる森林内の隙間のこと。
 ギャップでは、はじめに生育に比較的多い光が必要な樹木など(先駆種や陽樹)が生長する。それらが背を伸ばした後に、やがて比較的少ない光で育つ樹木(陰樹)が伸びて元の森に戻る。成熟した天然林(極相林)はこのように、攪乱と修復の繰り返しで生き続ける。ギャップは、森林の部分的な若返りの大事な要素であるといってもよい。


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 ■ 和  名:コミダケシダ(古見岳羊歯)
 ■ 学  名:Ctenitis eatoni (Bak.) Ching var. iriomotensis H. Ito
 ■ 科  名:オシダ科(同属で琉球列島の自生種はホラカグマ、カツモウイノデ。)
 ■ 分  布:琉球列島では西表島。その他の分布はなし。
 ■ 生育環境:山地の湿った岩壁
 ■ 特  徴:常緑の多年生のシダ植物。根茎は短く斜上する。葉は束生し、1〜2回羽状
        となり、最下の羽片はやや大きく切れこむ。胞子嚢群は円腎形で、毛のある
        包膜に包まれる。基本変種のホラカグマに似るが小形で、葉は細長い三角形
        状で、長さ10〜12cm、幅5cm、羽片は小さく短い。
 ■ トピック:
       ○ 西表島の固有変種。
       ○ 学名の意味は、属名Ctenitisは「櫛(くし)状の形」より葉が櫛の形に似る
         ことにちなみ、種小名eatoniは不明、変種名 iriomotensisは「西表島に産す
         る」。
       ○ 和名の由来は、自生地の古見岳(こみだけ;標高469m)にちなむ。
       ○ もともと個体数が少ないうえ、採集などで減少している。
       ○ 同属のホラカグマに似ており、移行形が知られる。基本変種のホラカグマ
         は主に石灰岩上に生えるなど、形態や生育環境が異なるといわれる。
 ■ REDデータ
   カテゴリ:絶滅危惧II類(沖縄県)、絶滅危惧II類(環境省)
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胞子嚢群(葉の裏側)



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古見岳はこれら山々の奥
(台風による塩害や倒木などで森の所々に隙間“ギャップ”がある)





<沖縄県の自生植物 Vol.77>





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