2010年6月アーカイブ

 こんにちはakahigeです。
 かねてから撮りたいと思っていたツル植物のひとつである。文献や野生植物の専門家から情報を集め、自生地で2回探しようやっと見つけられた。しかし、文献のとおり狭い範囲にわずかに生育するのみ。花姿は想像以上に鮮やかな赤紫色で美しい。炎天下のもと涼やかに生きる姿が夏の風情を感じさせる。

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 ■ 和  名:サクヤアカササゲ(咲也赤捧)
 ■ 学  名:Vigna vexillata (L.) A.Rich.
 ■ 科  名:マメ科(同属で琉球列島の自生種はハマササゲ、ヒナアズキ、コチョウインゲン等)
 ■ 分  布:琉球列島では沖縄島。
        その他の地域では世界の熱帯・亜熱帯地域。
 ■ 生育環境:海岸の断崖や草地
 ■ 特  徴:つる性の多年草。葉は3小葉からなる複葉で、小葉は楕円形で両面に毛がやや密布
        する。托葉があり基部の両端は耳状にやや伸びる。葉腋から長い柄のある総状花序
        を出し、上部に1〜2個の大形の蝶形花をつける。花は淡赤紫色、直径2〜3cm。
        豆果は線形で、長さ6〜8cm、毛が密生し、20前後の種子が入っている。開花時期
        は4月〜10月頃。
 ■ トピック:
       ○ 学名の意味は、属名Vignaは「イタリアの植物学者 Dominico Vigna」、種小名
         vexillataは「旗をもった、旗弁のある」よりマメ科にみられる花弁をもつこと
         にちなむ。
       ○ 和名の由来は、植物研究家の名前より(サクヤ)、花が淡赤紫色より(アカ)、
         細い牙=細々牙のように莢が見えること(ササゲ 説1)、または物を捧げる人の
         手のごとく、 莢が上側を向いていること(ササゲ 説2)にちなむ。
       ○ 自生地が限られている上、踏圧による自生地の環境変化により減少している。
       ○ 沖縄島の生育地は日本で唯一の産地
 ■ REDデータカテゴリ:絶滅危惧IA類(沖縄県)、ー(環境省)
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サクヤアカササゲの花
この花の形を専門用語で「蝶形花(ちょうけいか)」と呼ぶ


100620akahige03.jpgサクヤアカササゲの豆果(未熟)



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完熟した豆果
小さなアズキのような種子が数個入っている。




<沖縄の野生植物 vol.112>





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 こんにちはakahigeです。
 沖縄は先週末に梅雨が明け、抜けるような青空がひろがる日々が続いている。強い太陽の日差しがヒメスイカズラの真っ白な花びらに反射する姿を見ていると、梅雨のもやもや感を吹き飛ばしてくれる。スイカズラの仲間の花は時間の経過とともに白から黄色へと変わっていくのが特徴である。この色が変わる現象は受粉を促す訪花昆虫と深い関わりがあるといわれている。

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 ■ 和  名:ヒメスイカズラ(姫吸い葛)
 ■ 学  名:Lonicera japonica Thunb. var. miyagusukiana Makino
 ■ 科  名:スイカズラ科(同属で琉球列島の自生種はハマニンドウ)
 ■ 分  布:琉球列島では沖縄島、伊江島、宮古島、石垣島、西表島、与那国島。
        その他の地域では徳之島、沖永良部島。
 ■ 生育環境:海崖または石灰岩地域の断崖などの風衝地
 ■ 特  徴:常緑または半落葉性のツル性植物。茎は岩上を這い、分枝し長さ1〜2m。葉は
        対生で革質、卵形〜長楕円形で全縁。花は白色で、茎頂近くの葉腋につき、花冠
        の外側に下向きの毛を有し、これに腺点が混じる。開花時期は6月〜7月頃。
 ■ トピック:
       ○ 学名の意味は、属名Loniceraは「ドイツの草本学者 Adam Lonitzer」、種小名
         japonicaは「日本の」より日本に産すること、変種名miyagusukianaは植物
         学者の名前にちなむと思われる。
       ○ 和名の由来は、基本種のスイカズラより小型で(ヒメ)、花筒(かとう)の中に
         ある甘い蜜を吸うことが出来ること(スイ)、ツル植物(カズラ)にちなむ。
       ○ 自生地と個体数が少ない
       ○ 琉球列島の固有変種。
 ■ REDデータカテゴリ:絶滅危惧II類(沖縄県)、絶滅危惧IB類(環境省)
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ヒメスイカズラの白と黄色の花 / 後ろはソテツ
(基本種のスイカズラは白と黄色の花が混在しながら咲くことから「金銀花」と呼ばれる。)



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ヒメスイカズラは風衝地の過酷な自然環境で生きている。





<沖縄の野生植物 vol.111>




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 こんにちは、akahigeです。
 マングローブ林が広がる川を小舟に乗り中流域まで登ると、流れが穏やかな船着き場に辿り着く。そこから細い山道を歩きながら撮影した。梅雨時の亜熱帯林は多湿で、雲の切れ間からいったん日が差し込むと、蒸し風呂のように暑くなり眼鏡が曇るほどだ。
 本種は、自然森の薄暗がりのなか水が滴る岸壁に生育する。みずみずしい葉をつけ、清楚な紫色の花を咲かせるこの野草は、蒸した森ではオアシスのような存在である。

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 ■ 和  名:イリオモテイワタバコ(西表岩煙草)
 ■ 学  名:Conandron ramondioides S.& Z.
 ■ 科  名:イワタバコ科(同属で琉球列島の自生種はない)
 ■ 分  布:琉球列島では西表島。
 ■ 生育環境:山地の岩面
 ■ 特  徴:葉の長さ10〜25cmほどの多年草。葉身は卵状楕円形〜楕円形で、根茎から数枚出る。
       両面とも若葉のときは有毛、次第に少なくなる。花は桃紫色で直径1.5cmほど、縁は5深裂す
       る。開花時期は5月〜6月頃。
 ■ トピック:
       ○ 学名の意味は、属名Conandronは「con(円錐)+andron(雄しべ)」より雄しべ
         が集まって円錐形をしていること、種小名ramondioidesは「本種と同じイワタ
         バコ科で欧州の高山帯に生育するramonda属の植物に似る」にちなむ。
       ○ 和名の由来は、西表島に産するイワタバコの仲間であることにちなむ。イワタバ
         コ(岩煙草)は、岩面に生育する(イワ)、煙草にた葉をもつ(タバコ)に由来
         する。
       ○ 西表島の固有種。
 ■ REDデータカテゴリ:?(沖縄県)、?(環境省)
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イリオモテイワタバコの実(左)と花(右)



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花のアップ
花弁の紫色と中心のオレンジ色とのコントラストが美しい




<沖縄の野生植物 vol.110>




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 こんにちはakahigeです。
 水田の畦でよく見られる湿性の野草で、爽やかな色合いの花姿は、散歩する人の目を楽しませる。田芋(沖縄方言では「ターンム」)の水田で撮影した。畦のすぐ脇から田芋の根元近くまで生い茂り、それこそ別名アゼムシロの名前の由来にある筵(むしろ)を敷いたように個体群が広がっていた。

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 ■ 和  名:ミゾカクシ(溝隠)
 ■ 別  名:アゼムシロ(畦筵)
 ■ 学  名:Lobelia chinensis Lour.
 ■ 科  名:キキョウ科(同属で琉球列島の自生種はマルバハタケムシロ、マルバミゾカクシ等)
 ■ 分  布:琉球列島では奄美大島、沖縄島、久米島、宮古島、石垣島、西表島
               その他の分布は日本各地、朝鮮、台湾、中国〜インド、マレーシア
 ■ 生育環境:低地の湿地
 ■ 特  徴:草丈3〜15cmの多年草。茎は地上を這い、節部から根を出す。葉は線状被針形、
               互生、先端は尖る。花は淡い紅色で、開花時期は5月〜10月頃。
 ■ トピック:
       ○ 学名の意味は、属名Lobeliaは「オランダ植物学者のMathias de Lobel氏」、
         種小名chinensisは「中国の」より、本属を研究したひとりのオランダ植物学者、
         本種が中国に産することにちなむ。
       ○ 和名の由来は、ミゾカクシは水田近くの溝「ミゾ」を隠す「カクシ」ほど繁茂
         すること、アゼムシロは田の畦「アゼ」に筵「ムシロ」を敷いたように生えるこ
         とにちなむ。
       ○ 欧米ではグランドカバーに利用される(日本では雑草扱いされることがある)
 ■ REDデータカテゴリ:?(沖縄県)、?(環境省)
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ミゾカクシの花




<沖縄の野生植物 vol.109>



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